夏の黄色い畑にゴロゴロ転がっている、巨大なアレの名前。

夏の十勝を訪れると、写真のような畑の光景を見たことがあるのではないでしょうか。さて、問題です。この黄色い畑の上にゴロゴロと転がっている巨大なロール、これは一体何だと思いますか??

 

「牛のえさでしょ?」「牧草ロール!」

 

↑と答えた方は、残念がら間違いです。実は、この写真のロールは「麦稈(ばっかん)ロール」と言います。牧草ロールと姿形が似ていて酪農に使うものなので、ついつい混同されがちですが、実は違うものなのです。

 

「麦稈ロール」(麦わらロールとも呼ばれることも)は、牛の寝わら(=牛のベッド)として使われているもので、麦からできています。小麦を刈り取る際に収穫する穂と残りの茎部分に分けられ、残った茎部分を集めて特殊な機械でロール状にしています。

 

小麦の収穫自体が夏の短期間に行われていることや、雨が大敵なので出来上がった麦稈ロールはすぐにトラックで運ばれてしまうこともあり、麦稈ロールが畑に転がる牧歌的な風景が見れるのはとても貴重です。

 

続いて「牧草ロール」です。牧草ロールは、牧草がない冬場の牛のえさとして使われています。牧草は年に2、3回刈り取りされます。牧草(クローバーやチモシーなど)をロール状にして、その上にぐるぐるとラップを巻いて密封し中の牧草を発酵させ、栄養価の高い飼料を作っていきます。

 

昔は背の高い縦長の建物・サイロで発酵・保存していましたが、近年では低コストで手間がかからないラップを巻いて作るやり方が主流になりました。ラップの色は、黒や白、黒と白両方使っているものなど、いろいろなものがあるようです。

 

これで2つの違いがわかるようになりましたね。ビニールが巻かれたものは牛のごはんの「牧草ロール」、巻かれていないものが牛のベッドの「麦稈ロール」です。これで、あなたも十勝通です。