小学校にスケートリンクがあるのって、普通でしょ??

冬の十勝では、学校のグラウンドにスケートリンクが現れるのは当たり前の光景です。あまりにも普通のことすぎて、十勝の人は北海道の他の地域の人と話をして、あるのが普通じゃないということに気づきます。

 

十勝では、小学校はほぼ100%の学校で冬場にリンクを設営し、中学校でもリンクを設営するところが今でも多くあります。

 

冬の体育のメインは何といっても「スピードスケート」。特に小学校では、時間を多く割いて指導が行われる授業の一つです。寒空の下、スケートの上達度によってグループに分かれ練習を重ねていきます。シーズンの最後には保護者の声援の中、校内記録会が行われる学校がほとんどです。中学校では、スピードスケートを続ける学校と、男子はホッケー、女子はフィギアを習う学校に分かれます。

 

小さな頃からスピードスケートが身近にあること。これが、十勝からスピードスケートのメダリストが輩出され続ける所以です。

そもそも、何故そんなに十勝ではスケートリンクが作られるのでしょうか。それは、十勝ならではの気候が関係しています。北海道の中でも、十勝は雪が少なく冷え込みが厳しい地域なので、冷凍機を使わずに自然の力でスケートリンクが作れるのです。

 

しかし、自然の力があるといっても、実はリンク作りはなかなか大変なもの。リンクを作るには、気温がぐっと冷え込む夜間に設営作業を行うのです。一般的には、保護者と先生とが協力しリンクを作ります。散水車で水を少ずつ撒きながら、グラウンドをぐるぐる回ります。何日もかけ、ある程度の厚さまで氷が張ったらスケートリンクの完成です。その後もリンクの状態を維持するために、保護者と先生たちがシーズン期間ずっと夜間に作業をしているのです。

 

授業や放課後に友達と一緒にスケートを滑ったという子供時代の思い出。親になってから寒空の中リンク作りを子供のためにがんばったという思い出。十勝では、人生に二度スピードスケートを身近に感じる人も多い地域です。