十勝の地名とアイヌ語。

道外から北海道へ訪れた人は、北海道の地名の読み方が難しいと思うことが多いようです。

 

網走(あばしり)、知床(しれとこ)などは有名なので読めると思いますが、次の地名は読めますか??

 

長万部(おしゃまんべ)、積丹(しゃこたん)、倶知安(くっちゃん)、弟子屈(てしかが)、大楽毛(おたのしけ)、秩父別(ちっぷべつ)、妹背牛(もせうし)、興部(おこっぺ)、音威子府(おといねっぷ)、占冠(しむかっぷ)、美唄(びばい)。

 

読めなかった人が多いのでは??北海道には他にもまだまだ難読な地名が数多くあります。

 

なぜこのような難読な地名がついたのかというと、その多くはアイヌ語が由来となっているからです。アイヌの人々が呼んでいた呼称に、漢字を当てはめていったため読み方が難しいものができたそうです。

 

十勝でもアイヌ語が語源となっている地名が多くあります。十勝管内の市町村・1市16町2村のうち、1町を除いた全ての市町村はアイヌ語から名付けられています。十勝の市町村は難読というほど読みづらい地名は少ないですが、語源となったアイヌ語の意味を知るとそれぞれの土地の様子がうかがえますよ。

 

十勝の地名の語源は⁉

十勝という呼び名もアイヌ語が語源です。十勝川の河口が乳房のように2つ並ぶ様子、または、2つの丘の間から流れる十勝川をあらわしていると言われています。(所説あり)

 

   【十勝】(とかち)  トカプチ / 乳房のあるところ

 

 

十勝の市町村の語源は、次の通りです。

  

   【帯広市】(おびひろ) オペレペレケプ / 川尻がいくつにもさけているところ

 

   【音更町】(おとふけ) オトプケ / 毛髪が生ずる

 

   【士幌町】(しほろ)  シュウウォロー / 広大な土地

 

   【上士幌町】(かみしほろ)スホロペッ / 鍋を水につけた川

 

   【鹿追町】(しかおい) クテクウシ / 鹿捕り柵のあるところ

 

   【新得町】(しんとく) シットクナイ / 山の肩、山の突出しているところ

 

   【清水町】(しみず)  ペケレベツ / 明るく清らかな川

 

   【芽室町】(めむろ)  メムオロ / 川の源の泉や池から流れてくる川

 

   【中札内村】(なかさつない) サチナイ / 乾いた川

 

   【更別村】(さらべつ) サラペッ / 葦・茅の生い茂る地

 

   【大樹町】(たいき)  タイキウシ / 大木が群生するところ 

 

   【広尾町】(ひろお)  ピルイ / 「ピ」は石が転がる、「ルイ」は砥石がとれる地

 

   【幕別町】(まくべつ) マクンベツ / 山際を流れる川

 

   【豊頃町】(とよころ) トエコロ / 大きなフキが生えていたところ

 

   【本別町】(ほんべつ) ポンペッ / 小さい川

 

   【足寄町】(あしょろ) エショロペッ / 沿って下る川

 

   【陸別町】(りくべつ) リクンベツ / 高く上がっていく川、危ない高い川

 

   【浦幌町】(うらほろ) オーラポロ / 川尻に大きな葉が生育するところ

 

     【池田町】(いけだ)  ※アイヌ語が語源ではない